スタッフ研修 R3年3月「医療制度のしくみ」

R3年3月は、「高額療養費制度」について学びました。

 

日本では「国民皆保険制度」を導入しているため、全ての国民は何らかの「公的医療保険制度」に加入しています。

そのため、公的医療保険制度に加入していると、医療費全額を支払うことはなく、医療費の一部を支払うことで治療を受けることができます。

医療費に対する自己負担額は年齢・所得によってその割合は異なります。

例えば小学校入学から70歳未満の年齢の場合、かかった医療費の3割を自己負担し、残りは国の補助によって賄われます。

しかしながら、長期的な入院や大きなケガの場合、自己負担3割の医療費が家計に対して負担となる可能性もあります。

そのため、公的医療保険制度には1カ月の自己負担額に、年齢や所得に応じて上限を定め、上限を超えた分の医療費を還付する制度があります。

これを「高額療養費制度」といいます。

診察を受けた翌月から2年以内なら請求できます。

 

計算と申請方法

 医療機関等に支払ったひと月(1日~月末まで)の自己負担額(保険外診療の費用や入院中の食事代等を除く)を患者一人ごとに受診した医療機関ごとに分けます。

通院・入院ごと、医科・歯科ごとに分け、一医療機関ごとに合算します。

薬局での自己負担金は処方箋を出した病医院と合算します。

過去1年間に3回以上高額療養費が支給された場合は、4回目以降の負担限度額が下がります。

また、世帯合算(70歳未満は自己負担額が21,000円以上のもののみ合算可能)は同じ保険に加入している人同士が対象となります。

 

申請先は国民健康保険の人は市区町村役場(国民健康保険係)、社会保険・国保組合の人は各保険者、後期高齢者医療の人(原則75歳以上)は市区町村役場(後期高齢者医療係)です。

 

入院が決まった時や医療費が高額になりそうな場合は、事前に「限度額適用認定証」の発行を受けましょう。

高額療養費制度の自己負担額を超えた金額を医療機関の窓口で支払わなくてもよくなります。

住民税非課税の方は入院の食事代も軽減されます。

医療機関に認定証を提示すれば、払い戻しの申請も不要となります。

 

(研修まとめ)

 高額医療制度について、一度は耳にしたことがありますが、入院や大きなケガなどで高額になった場

 合、安心して医療を受けることを保障する制度です。

 予め、限度額適用認定書の発行を受けておくと、安心して入院治療が受けられます。

あまり外来での高額医療はないときもあるが、高額になりそうな場合は事前に限度額適用認定証の発行

をうけることが大切である。