R2年1月は「感染症の基礎知識」について学びました。
感染症とは「病原体となる微生物が体内に入り込み、増殖することによって、発熱や腹痛、下痢、皮膚の発疹などを引き起こす状態のこと」をいいます。
高齢者の場合、免疫力が弱まっている方が多く、成人よりも感染症にかかりやすい状態にあるため、注意が必要です。
感染源となる微生物などが入り込む経路は大きく①空気感染②飛沫感染③接触感染(経口含む)の三種類に分けられ、感染症の種類によって異なります。
在宅介護で気をつけたい主な感染症一覧
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主な症状 |
感染経路 |
潜伏期間 |
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インフルエンザ |
38℃以上の高熱、 頭痛、筋肉痛、関節 痛など |
主に咳やくしゃみなどの飛沫感染 |
1~3日 |
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ノロウイルス |
下痢、嘔吐、発熱 など |
1次感染:主に汚染された二枚貝を加熱不十分で摂取 2次感染:感染者の便や嘔吐物などから人の手などを介して感染 |
1~2日 |
食中毒 |
サルモネラ菌 |
発熱、腹痛、下痢 など
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原因食品(鶏卵、鶏肉などの 食肉、乳加工品)の摂取 |
8~48時間 |
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腸管出血性大腸菌 (O157) |
発熱、腹痛、下痢 など
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原因食品(主に牛肉)や 井戸水などの摂取 |
3~5日 |
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疥癬 |
赤い発疹 激しい痛み |
皮膚や皮膚の接触原因となる ヒガンダニが付着した衣類や寝具を介する直接感染
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通常疥癬/1か月 角化型疥癬/ 約1週間 |
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白癬(水虫) |
かゆみ、痛み、水疱 など |
スリッパやバスマットなどを介する直接感染
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不定 |
感染症予防の基本は「スターンダードプリコーション」
スタンダードプリコーションとは具体的にはすべての利用者のケアにおいて
①確実に手洗いする
②こまめにうがいをする
③感染の可能性があるものを素手で触らない
を実行することです。
スタンダードプリコーションの定義
すべての利用者の血液、体液、分泌液、排泄物、粘膜などは感染する可能性があるものとして扱い、常に感染予防策を行うこと
感染症対策のポイント
①手洗い、うがい(ケアの前後は必ず行う)
②素手で触らない(“感染の可能性があるもの”に触れる時は、手袋を着用)
③利用者の健康チェック、観察(栄養バランスのよい食事摂取、清潔の保持など)
④環境の整備(整理整頓、換気、室温調整、湿度調整など)
⑤必要時、使い捨て(ディスポーザブル)手袋、マスク、エプロンの使用
⑥ホームヘルパー自身の健康管理
感染症を疑う症状があった場合には
チェック1 いつから症状が出現しているか?
チェック2 最初に出現した症状は何か?
チェック3 症状は変化しているか?
変化している場合→どのように変化しているか?
チェック4 同じよう症状をもつ人(利用者の家族や介護者)が周りにいるのか?
いる場合→誰が?
いつから症状があるか?
同じ食事を食べているか?
トイレは共同で使っているか?
管理者・サービス提供責任者へ報告(ケアマネジャー、医療機関、保健所)し、適切な対処で感染拡大を防ぎましょう。
感染症はきちんと対策ができていれば恐れる必要はありません。
ホームヘルパーは直接感染症の治療行為はできないものの、いち早く利用者の状態を把握し、医療職との連携をとることで早期発見や悪化防止、早期治療、感染の拡大防止につなげられます。
正しい知識をもって、プロのホームヘルパーとしての自信をつけるように。