スタッフ研修R1年5月「精神疾患をもつ人のケア」

R1年5月は「精神疾患をもつ人のケア」を学びました。

 

統合失調症について

 様々な精神症状があらわれる病気で100人に1人ぐらいの割合で発症する頻度の高い病気

一度症状があらわれると、状態が落ち着いても服薬を続けながら一生つき合っていく必要が

ある。

10代後半から30代半ばに発症し、有病率は男女間でほぼ等しい。

(特徴)

 陽性症状

  ①妄想…明らかに現実とは違うのに、確信して誰にも訂正できない考えのこと。

      被害的な内容が多い。

      例「誰かに電話を盗聴されている」「みんなから狙われている」

  ②幻覚…実際にはないものがあるように感じられること。

      最も多いのが「ばか」「役立たず」のような批判的な言葉が聞こえる「幻聴」

      虫が体を這っているように感じる「体感幻覚」などがある。

  ③思考の障害…話の脱線、つじつまの合わない話をする。言葉を発しなくなる。

 

陰性症状

 ①感情の平板化…表情がなくなり、感情の起伏が乏しくなる。周囲に対して無関心になる。

 ②意欲の欠如…一日中ぼんやり過ごし、何もしなくなる。

 

社会機能の低下

 ①生活機能の低下…着替えや入浴、掃除、洗濯等しなくなる。

          同じものを食べ続ける。外出や通院をしなくなる。

 ②社会的孤立…被害妄想によって、他者とのかかわりを断ち、自室にひきこもる。

 

統合失調症をもつ人への支援で起こりやすいこと

 ・「つらさをわかってくれない」というクレーム

  妄想、幻覚など被害的な症状があらわれている時、対応の仕方でクレームとなる。

(対処)

  否定せずに、本人が感じていることをそのまま受け止め、つらさを共感する。

  ただし、被害的な気持ちを強めないよう、何度も確認したり、無理な同調はしないこと。

 

 ・サービス提供や支援者を拒絶 

  病気の状態によって突然サービス提供自体や支援者自身が拒絶・非難される

 (対処)

   反論や説得は逆効果。あらかじめ、ホームヘルパー、医師、訪問看護師、相談支援専門員

など、関わる支援チーム全体で情報共有し、拒絶されたときの対応を協議しておく。

本人の現在の状況として理解し、一人で抱え込まないこと。

 

傾聴と要約を大切にする

 コミュニケーションにおいて、相手の話を聴くことは基本中の基本。

 傾聴することで、相手は「もっと話したい」という気持ちになります。

 その結果、利用者の知らない内面を深く理解することが出来ます。

 また同時に信頼関係が生まれ、よそよそしい関係が一気に改善されます。

 漢字表現で異なる「きく」の違いについて

 「聞く」…何気なく取り入れる

 「聴く」…何かを気にかけて聴く