スタッフ研修R1年6月「知っておきたい老年期のうつ」

 

R1年6月は「知っておきたい老年期のうつ」を学びました。

 

 

 

「うつ」になりやすい老年期

 

 人は生きている限り悩む存在。とくに高齢になると様々な出来事が起こる為、「うつ」状態に

 

なりやすい。

 

 加齢に伴い、体を思うように動かせない、家族との離別などを経験したりと、様々な喪失感を

 

覚える。

 

 このような慢性不安がいつまでも回復せず、日常生活に支障をきたすと「うつ病」となる。

 

一般的な症状

 

 ・やる気を失う

 

 ・些細なことにこだわる

 

 ・落ち込む

 

 ・神経が過敏になる

 

 ・感性のコントロールができなくなる

 

 

 

認知症と併発しやすい

 

 うつ病は体の病気がきっかけでも起こる。

 

「がん」は将来に大きな不安を抱えやすく、うつになりやすい。

 

他にも、関節リウマチ、結核、肺炎などは重症になるほどリスクが高い。

 

甲状腺の病気、神経の病気、多発性硬化症やパーキンソン病もうつと関係している。

 

「認知症」は老年期のうつと密接な関係があり、2つを区別するのは専門家でも難しいと

 

言われている。

 

認知症の方の約40%にうつを併発する可能性が指摘されている。

 

若年期のうつは認知症のリスク因子であり、初期症状であることも知られている。

 

 

 

曖昧さに耐える力を身につける

 

 完治が難しい病気なので予防が大切。ストレスをためないことが大切。

 

 しかし、ストレスは生きていく上で避けられないものであり、人としての成長をする為には

 必要なもの。

 

 ストレスが慢性化しないよう、適度に休息をとる、ストレスの原因を忘れられる時間をもったり、意識づけが必要である。

 

生きていく上で黒白をはっきりつけられない曖昧な事柄に対して、明確な答えを出さず、耐える力を身につけることが重要。

 

一人だけで頑張らず、必要な時は他人に援助を求める勇気をもつ。

 

過去にこだわらず、未来を発想する意識をもつ。

 

地域のコミュニティ活動への参加等、楽しみをもつことも予防になる。

 

 

周囲は無理に励まさない

 

 本人の気力だけでは治らないことを理解し、症状がひどい時は受診を勧める。

 

 しかし、治療には数か月、数年という時間が必要。

 

 家族や周囲の人の対応としては、次の点を心掛ける。

 

 ・本人の希望にあった手助けを見つけ出す

 

 ・励まさない(励ましは逆効果)

 

 ・無理やり一緒に物事をしようとしない

    ・温かく見守る

 

 ・仕事や生活における重要な決断は先延ばしにする

 

 ・小さなことでも考えや決断を求めない

 

 ・普通に接する、気を遣い過ぎない、距離をおかない

 

 ・よく話を聞き理解と共感を示す

 

 

 

自身の「老い」を受容出来る人と出来ない人、それぞれあると思います。

 

上手にストレスから逃避する事もひとつの方法であり、周りのインフォーマルケアの力である。

 

治せない症状は専門的に治療して乗り越えて欲しいと思います。