スタッフ研修H30年4月「統合失調症について理解する」

当事業所では、精神障害者の支援に力を入れています。

4月は統合失調症について勉強しました。

 

統合失調症は脳をはじめとした神経系が阻害される慢性の疾患である。

 

 

 

症状の現れ方として、陽性症状と陰性症状がある。

陽性症状…安心感や安全保障感を著しく損ない、幻聴、妄想が現れる。

陰性症状…自信喪失、自己効力感を奪う、

根気や集中力が続かない、意欲がわかない、喜怒哀楽がはっきりしない。

考えがまとまらない、話が飛ぶ、自己決定が難しい等がある。

認知されづらく怠けや努力不足と見られて、生活上失敗や挫折を招くことが多い。

 

投薬治療…統合失調症の症状がドーパミン系やセロトニン系等の神経系で作用している神経系伝達物質のアンバランスと関連が深いことがわかり、抗精神病薬が開発され多剤大量投薬されてきた。しかし手の震えや体のこわばり等の副作用が大きいことがわかり、現在は一部の精神科医では多剤大量処方を見直し、減薬治療が行われるようになった。

 

ご家族への支援(ご家族もガマンしすぎないために)

※回復力を高める接し方

相手の気持ちを理解するため

の会話の5つのポイント

1,関心表明

2,反復確認

3,話が具体的になるための質問

4,共感の言葉(共感は同意ではない)

5,自分の考え

 

家族の巻き込まれのレベルは、レベル1から3まであり、レベル3を目指して巻き込まれから脱出できるようにサポートする。

 

レベル1: 今、まさに巻き込まれの最中。毎日がツラく重い。

レベル2:    時に波はあるが、私のやるべきことが判って、少し先が明るくなった。

レベル3:   信頼関係ができつつあり、お互いに自分の生活が楽しめる方向に向かっている。

 

(具体的な巻き込まれからの脱出方法)

ありのままを認めほめる。

話を聞いて共感する

子離れを心がける

あなたは大事な家族、かけがえのない人と伝え続ける

上から目線をやめて優しい目線に

できないことはできないという

口出ししない

相談には乗るが決定は本人に任せる

本人を信じ続ける

できないことを助ける

物理的に本人と距離を作る

私メッセージを送る

本人の意思を受け入れる

いつも味方になる

自分のやりたいことを諦めたり遠慮したりせず、ありのままに予定や行動をオープンにする。

 

親亡き後の支援

1, 金銭管理ができること

2,    困った時に人に助けを求められる

 

生活保護費と障害年金を足したお金で一カ月の生活費を自分でやり繰りできるようになる。

 

最後に、

統合失調症にかかると、陽性症状や認知障害のために、本人が病気であることを理解することが難しいと言われてきたが、偏見です。適切な方法で丁寧に伝えれば、病気の療養に必要な情報を本人に与えることはできます。病気を理解して病気への対応を学び、病気を抱えながら生活することを練習することにより、本人は病気からの回復に進んで取り組めるようになります。

完治が難しく、若年者も多いため、一生つきあっていかねばならないので、一層理解を深めていきたいと思います。  妹尾 昭美